2023/12/30

空き家の放置リスクと対処法

まず空き家を所有している方の管理方法でよくあるのは、天気の良い日(晴れ)に窓を開けることです。

1日開けて夕方閉めることを時々、仕事がお休みの日に行います。これが一番多い管理方法だと思います。これ自体は正解です。しかし、雨の日は窓を開けない方が良いことはわかっていますが、雨の日に点検に行くことは少ないかと思います。実はこれが一番大事で、雨漏りや水廻りの水漏れがあると、閉め切った建物で壁内や屋根内部が濡れてしまい、乾かないため、水による腐朽菌が繁殖します。これを「腐る」と言います。それと並行して気をつけるべきは「シロアリ」です。

木材のリスクはこの2つが主です。地震で木材が折れるとか裂けるとかの現象は、この二つの理由を除けば、まずありえません。大震災では話は別ですが、普段の震度2や3が何十回来ても耐えられる家がほとんどです。

そして、木造住宅以外の鉄筋コンクリート造、鉄骨造、その他色々ありますが、木材を使っていない住宅は存在しないはずです。人工的に作られた合板や集成材も木材ですから、腐るし、シロアリも来ます。

シロアリは高温多湿を好みますので、日本でも南側、特に海側に多く存在するらしいです。なので、私たちの和歌山県の住宅は高温多湿を避ければいいんですが、断熱効果を上げるために、屋根裏や内壁、床下を作ります。

この隠れた部分を年間通して温度調節は難しいですが、多湿を避けて乾燥させることはできます。乾燥している場所はシロアリにとって体が乾いてしまうので、とてもリスクがあるから、まず来ません。なので、コンクリート(ベタ基礎)が有効なんです。

普通に乾燥しているコンクリは強アルカリで吸放湿作用が強いですから、シロアリが上を歩くだけで自殺行為です。

コンクリートが無かった、古来からある建物はそのことを知っていたらしいですから、屋根裏は露出で、柱も全部露出で隠している木材はほぼなかったわけですね。それだと寒暖の差は大きいですが、腐食はせず、シロアリどころか他の虫を着かない、それだと建物は長持ちします。それを「古民家」(こみんか)と呼ぶんですが。最近(戦後のGHQが作った建築基準法)の建て方で古くなった家はただの「古家」(ふるいえ)です。木材を緊結するのに金物一つでもを使っている時点で、結露が発生し、腐朽菌の繁殖の初まりです。古民家で長持ちする家は金属を使わないんですね。